はじめに
ストレスが許容範囲を超えて、限界突破してしまった時に、人は適応障害になります。
適応障害は、環境にうまく馴染めないことによって起こる心のトラブルで、鬱や不安、意欲や自信の喪失、体調面の不良などを起こします。
今回は、職場で起きやすい適応障害についてお話ししていこうと思います。
職場で起きやすい適応障害
適応障害は、元々ストレスに対してあまり強くなく、社会的スキルや順応力に弱い点を抱えている人が次第に責任や負担が増える中で対処しきれなくて適応障害になる場合と、
人並み以上に適応力や体力にも恵まれ、精神的にも肉体的にもタフと見られていた人が適応障害になってしまった場合がある。
後者の場合、周囲はまさかあの人がと、予期していなかったことが多い。
ですが、一番予期していなかったのは本人だったりします。
思うように体や頭が動かないという状況に直面しても、自分に何が起きているかさえ、わからないということが多いです。
それゆえ、とことん症状が強くなって、周囲が異変に気づくまでじっと我慢して、どうもないふりをしているということになりがちです。
かくいう私もそうでした。
気づいた時には、朝、無気力と抑うつが襲ってきて、仕事に行けなくなっていました。
容量オーバーで適応障害になる人
容量オーバー型の適応障害は、その人にかかるストレスや負担が、対処できる容量を超過することによって起きます。
対処できる容量は、疲労や睡眠不足が蓄積すると、ますます小さくなります。
そのため、ある限界を超えると急速に容量オーバーが進み、自然に均衡を取り戻すことは期待し難くなります。
できるだけ早く、休息を取ったり、ストレスから解放されない限り、適応障害は負のスパイラルに陥っていくことになります。
容量オーバー型の適応障害を予防する上で大事なことは、情報入力を少しでも減らす努力をすることです。
脳が疲労気味な時は、音楽、映像などの情報入力を減らして、脳を休めるようにしましょう。
5分ぐらいの間、目を閉じて神経を休めるだけでも、有効です。
休憩をまめにとって、ぶっ続けで仕事をしないようにするということに気をつけるだけでも、かなり違うものです。
では、容量オーバーが起きやすいパターンを見ていきましょう。
ポイントは以下の3つになります。
・環境や仕事内容にも慣れて、仕事がそれなりにこなせるようになった時
・部下を使いこなせない、あるいは部下が使い物にならない時
では、一つずつ見ていきましょう。
環境や担当が変わった時
容量オーバーが起きやすいシチュエーションの一つは、環境や担当が変わった時である。
新たな環境に入ったり、移ったりした時というのは対人関係の面でも、仕事の課題の面でも、勝手がわからず、大したことをしていなくても気遣いがふえ、疲労することも起きます。
かくいう私も、全くこの通りで適応障害を発症しました。
新年度に入って、仕事の担当が変わって2ヶ月した時でした。勝手がわからずに疲労困憊でした。
環境や仕事内容にも慣れて、仕事がそれなりにこなせるようになった時
容量オーバーが起きやすいもう一つのシチュエーションは、逆に環境や仕事内容にも慣れて、仕事がそれなりにこなせるようになった時です。
中堅として、仕事内容が質や量ともに急激に増えて、周囲からも頼りにされるということが起きます。
仕事というのは、できる人に集中しやすいという性質があります。できる人ほど、潰れやすいというのはこうした性質が関係してくるわけです。
容量オーバー型の適応障害を避けるためには、自分にかかっている負荷の容量が適正なものか、常に監視しておく必要があります。
そのためには、厳格なスケジュール管理、自己管理を行い、どんぶり勘定でなんとかなるだろうと仕事を受けないことです。
ほんの少しずつの無理が重なっていくことで、結局適応障害やうつ病に追い込まれていくことになります。
それができるかどうかの分かれ目は、無理をしてまで仕事を受けないということができるかどうかです。
部下を使いこなせない、あるいは部下が使い物にならない時
容量オーバーになりやすい3つ目のパターンは、部下を使いこなせない、あるいは部下が使い物にならないパターンです。
部下にやってもらうはずの仕事まであなたが全部面倒見なければならないという場合です。
任せたはずが、期限が近づいているのに全く進んでいない。しかもその報告をしない。
あなたは、自分の仕事で手いっぱいの上に、部下の仕事を徹夜でやらなければいけないという事態になりかねません。
しかしながら、多くの場合は、使い方に問題があります。
一つは、部下に任せるということができずに、手出し口出しをしすぎて、部下のやる気や責任感を削いでしまうという場合です。
もう一つは、部下に対する指導や管理が弱すぎるという場合です。
あまりうるさいことを言わないでいると、仕事になっていないということもあります。
それらを防ぐためには、随時ミーティングをして、分担や責任を明確化して、進行状況を報告させ、必要な問題解決について具体的な方法やスケジュールを言わせるようにするとグッドです。
おわりに
いかがでしたでしょうか。
今回は職場の適応障害を発症しやすいパターンとして
容量オーバーになった時を3パターンご紹介いたしました。
感想等がございましたら、まりるりのTwitterまでお願いします♪
今回の参考図書は「ストレスと適応障害」岡田尊司著書でした。
最後まで、ご覧いただきまして、ありがとうございました。
次回は、その2をお送りいたします。
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